第269回研究講演会開催報告


日時:平成9年12月12日(金) 研究会(平成9年度第3回)終了後

場所:岩手大学工学部一祐会館

演題:『プログラマブル・ロジックの現状と将来』

講演者: 日本アルテラ株式会社 テクニカル・プログラム・マネージャー 浮谷 光明

講演要旨:
以下のような項目について資料に基づき講演された。
  1. プログラマブル・ロジック・デバイスはユーザが手元でカスタムの論理機能を 実現できるデジタル論理ICであり、その特長が述べられた。また、 プログラマブル・ロジック・デバイスを内部配線構造とロジック・セルの観点から 分類し、CPLDとFPGAが比較された。
  2. プログラマブル・ロジック・デバイスの現状として、CMOSロジック・デバイス・ マーケットにおけるプログラマブル・ロジック・デバイスの占める割合、 ASIC/PLDメーカ別売上(1996年)、年毎の成長状況などが述べられた。
  3. プログラマブル・ロジック・デバイスの設計環境として、 プログラマブル・ロジック・デザインフロー、プログラマブル・ロジック設計手法、 HDLを用いた設計フローが説明された。
  4. 超短期間の設計・プログラムが可能で何度でもデザイン変更が可能であるという プログラマブル・ロジック・デバイスの特長が生かされた使用例として、 ネットワークHubアプリケーションやRISCプロセッサ評価ボードの事例が述べられ、 非常に短期間のTime-to-Marketの要求に対処できたことなどが述べらた。
  5. 最後にプログラマブル・ロジック・デバイスの将来として、デバイスの高集積化 を可能としたエンベデッド・アレイ・ブロック(EAB)の概念、マルチ・コア・ アーキテクチャが説明され、2001年までにはプログラマブル・ロジックは 2百万ゲートに達すること、デバイスのコストもASICのコストに近づくこと、 百万ゲート規模のデバイスにはゲート遅延を少なくする新しい配線構造が 必要であること、チップの電源電圧も1.8Vになるであろうことなどが述べられた。
講演内容は以上のようであり、この分野に興味を持つ者にとって大変刺激的であった。

参加者数: 約40名

報告者:高浪五男
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