第278回研究講演会開催報告
- 日時:平成11年11月29日(月)16:45〜17:45
- 場所:岩手大学工学部一祐会館
- (〒020-8551 盛岡市上田4−3−5)
- 演題:『コンピュータゲームにおけるアニメーション技術』
- 講演者:宮沢 篤
- ((株)ナムコ バーチャルテック研究室)
- 講演要旨:
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アーケードコンピュータゲームは1作ごとにロジックICを使用し基板から設計していたが,製造コストと
納期短縮からマイコン制御に移っていった.ゲームの画像生成は主にプログラマブルキャラクタジェネレータ
(PCG)が使用された.これはMSXパソコンなどにも採用されたことがある.ゲームの画像は平面的なものから立
体的な表現へと移っていったが,リアルタイムで動作させなければならないため,通常の3次元CGとは異な
る手法が開発された.初期にはPCGを複数枚用意し,それを重ねて別々の方向へスクロールさせることで奥
行き感を表現した.回転や移動は複数のPCG画像をあらかじめ用意し,PCGを瞬時に切り替えることで表現した.
また,ズームには直線発生器を応用した.その後,より柔軟性のある方法として,フレームバッファから任意
の形状の領域を切り出す機能をディスプレイコントローラに付加し,それによって回転や平行移動,ズーム,
透視投影,斜影変換を表現するようになった.最近のゲームはポリゴンベースの標準的な3次元手法が主流で
あるが,データ量削減の工夫や,グーローシェーディングでハイライト効果を表現するなどの工夫がなされて
いる.今後の課題としては,ポリゴンによる表現からNURBSなどの曲面の利用,その実時間テセレーションなど
がある.人体の動作はモーションキャプチャが主流だが,データ量が膨大になる点や派生的な動作のデータ生
成に難点があるので,この解決も必要である.
- 参加者:約100名
- 報告者:村岡一信
- 岩手大学工学部情報工学科
- 〒020-8551 盛岡市上田4−3−5
- E-mail:
muraoka@cis.iwate-u.ac.jp
- TEL 019-621-6484
- FAX 019-624-4078