第310回研究講演会開催報告


情報処理学会東北支部学術講演会報告
日時:2004年7月20日(火)12:50〜14:30
場所:八戸工業大学AVホール

講師:小坂谷壽一氏 (博士(工学))
日立エンジニアリング事業推進本部技術開発部グループリーダ主任技師(新ビジネス担当)
演題:「演奏者に優しい電子楽譜の研究と成果」
主催:情報処理学会東北支部、八戸工業大学システム情報工学科
後援:(財)青森県工業技術教育振興会
主な対象:システム情報工学科3年生4年生、ならびに教職員

講演内容:  「電子楽譜」は、フットスイッチ又はその他の操作により、従来演奏者(特に両 手使用の楽器奏者)の手操作頁めくりに関わる負担を軽減させると同時に頁めくり 操作に伴う演奏の中断や頁めくり音等の回避をねらいとしたタブレット型パソコン である。この「電子楽譜」は、・メモの格納/削除、・楽譜コンテンツ管理の簡素 化、・一斉譜めくり指令、・暗闇での演奏が可能になるなど、16世紀以来の譜めく り方式、譜面構成を画期的に変えた装置として着目されている。講演では、デモ機 による実装例とデモ演奏、及び「譜めくり比率の可変と時間差による先行譜めくり 方式」を中心に装置の紹介があった。「プロ」「セミプロ」、「アマチュア」の各 演奏能力は譜めくりの遅れ時間として現れる傾向があるとのことで、この傾向の違 いを「電子楽譜」は「先行譜めくり方式」で回避する。「電子楽譜」は、演奏音楽 を「先行的な譜めくり方式」により確認する必要のある教育現場(楽譜の学習段階 )での導入をねらいとしているとのことであった。デモでは、日立交響楽団による シューベルト「ます」の管弦楽演奏を暗闇で実施した事例(ビデオ映像)が紹介さ れた。「電子楽譜」の「先行譜めくり方式」により奏でられる美しいメロディに聴 講者は聞き入っていた。「電子楽譜」装置は、NHK「新撰組」現場ロケでの「電子台 本」等への利用領域の拡大等ビジネス展開中とのことである。

参加者:約40名
報告者:高橋良英
八戸工業大学システム情報工学科
〒031-8501青森県八戸市妙字大開88-1
TEL: 0178-25-3111
FAX: 0178-25-1691
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