講演内容: 「電子楽譜」は、フットスイッチ又はその他の操作により、従来演奏者(特に両 手使用の楽器奏者)の手操作頁めくりに関わる負担を軽減させると同時に頁めくり 操作に伴う演奏の中断や頁めくり音等の回避をねらいとしたタブレット型パソコン である。この「電子楽譜」は、・メモの格納/削除、・楽譜コンテンツ管理の簡素 化、・一斉譜めくり指令、・暗闇での演奏が可能になるなど、16世紀以来の譜めく り方式、譜面構成を画期的に変えた装置として着目されている。講演では、デモ機 による実装例とデモ演奏、及び「譜めくり比率の可変と時間差による先行譜めくり 方式」を中心に装置の紹介があった。「プロ」「セミプロ」、「アマチュア」の各 演奏能力は譜めくりの遅れ時間として現れる傾向があるとのことで、この傾向の違 いを「電子楽譜」は「先行譜めくり方式」で回避する。「電子楽譜」は、演奏音楽 を「先行的な譜めくり方式」により確認する必要のある教育現場(楽譜の学習段階 )での導入をねらいとしているとのことであった。デモでは、日立交響楽団による シューベルト「ます」の管弦楽演奏を暗闇で実施した事例(ビデオ映像)が紹介さ れた。「電子楽譜」の「先行譜めくり方式」により奏でられる美しいメロディに聴 講者は聞き入っていた。「電子楽譜」装置は、NHK「新撰組」現場ロケでの「電子台 本」等への利用領域の拡大等ビジネス展開中とのことである。