第332回研究講演会開催報告


日時: 2007年 12月 3日(月) 16:20〜17:50
場所: 東北大学大学院工学研究科
       電気・情報系 1号館 4階 451・453会議室
講師: プラマニク カデル博
演題: 変革の時代とICT分野の国際貢献
       〜国際協力によるデジタルデバイドの解消〜
概要:
1954年、国際協力の第一歩として、途上国への技術協力のために
国際協力組織「コロンボプラン」が発足した。国際協力開始以来50余年、
この間各方面での技術も援助方法も変わってきた。当初は海外の研修生を
国内の研修機関、メーカーなどでの訓練(技術支援)が主な事業であったが、
その後、海外援助、国際協力へと時代とともに名前も大きくなり、それに
あわせて内容も大規模になってきた。最近は多くの技術協力プロジェクトで
ICT人材育成が重要課題と認識されており、大学やその他の教育機関へも
委託されるようになった。
今回プラマニク氏は変わり行く国際地域社会と経済情勢を踏まえ、自身の
途上国への技術協力推進(ITU)、南太平洋大学情報通信強化プロジェクト
(JICA)、太平洋島嶼国人材育成プロジェクト支援(APT)の経験を紹介
しながら、途上国のICT人材教育分野でのこれからの国際貢献に関する
課題を紹介する。
日本に近い地域であるアジア太平洋諸国への人材育成(HRD)、ICTの
積極的な活用による支援活動の効率化、支援、取り組み、資金援助受託に
関する国際協力の課題と対策方法を提案する。
これからの国際貢献事業の進展を踏まえ、東北大学の上記分野での新たな
取り組み方法を提言する。

講演報告:講演者自身の長年に渡る国際貢献の経験から,支援を受ける
国々の現状や,何が必要なのか,また東北大学に何が望まれるのか,
といった事についての講演があった。まずは,南太平洋地域の国々へ
行われた支援事業の詳細について説明があった。そこから,支援を
受ける国々の現状と,実際求められている支援の内容,また,
支援の難しさなどについて説明があった。最後に今までの経験をふまえ,
東北大学にどのような支援をして欲しいか,どのような支援が望まれて
いるのか,といった提言があった。普段あまり接しないような大変
興味深い講演内容であったため,質疑も活発に行われ,大変意義深い
講演会となった。

参加者:約 20名
報告者:鈴木基之(東北大学大学院 工学研究科)