情報処理学会東北支部第337回研究講演会開催報告


日時 :2008年10月10日(金) 16:10〜17:40
場所 :弘前大学理工学部1号館8番講義室
講師 :佐藤 三久 (筑波大学 システム情報工学研究科 教授、
        計算科学研究センター センター長 )
演題:ペタスケールに向かう超ハイエンド・スーパーコンピューティングの動向
    - 次世代スパコンプロジェクトとT2Kプロジェクト -

概要:科学技術の研究において、計算機を用いてシミュレーションやデータ解析を行
う計算科学の方法は欠くことのできないものになっている。現在、計算科学の
もっとも重要な基盤となっているスパコンの性能は、いまや1PetaFlops(1秒
間に1千兆回浮動少数点数演算)に達し、ペタスケールの時代に突入しようと
している。2012年のペタスケールシステムの稼動を目指して現在進められてい
る次世代スパコンプロジェクトと筑波大、東大、京大で稼動し始めたオープン
スパコン連合T2Kシステムの紹介をする。


講演報告:
最新のスーパーコンピュータについての詳細が紹介された。1つは、筑波大学
と東京大学と京都大学のそれぞれのスーパーコンピュータを連携させたT2K
プロジェクトであり、もう一つは、現在開発中の次世代スーパーコンピュータ
(京速コンピュータ)である。スーパーコンピュータを開発する際のポイント
について詳細なお話があった。最近では、消費電力が大きなボトルネックに
なってきたとのことであった。スーパーコンピュータを使った計算科学の最先端の
研究も紹介された。ソフトウエアの並列化による高速化が説明された。
出席者は、学部学生、大学院生、教員であった。講演は、学部学生にもわかる
ように平易な言葉でなされた。最後に、活発な質疑応答があった。
最初から並列化されたソフトウエアを設計開発することの重要性を痛感した。

参加者:約67人
報告者:斎藤稔(弘前大学理工学部電子情報工学科)