特別セミナー/一般開放シンポジウム「応用情報学とその進化」(第341回研究講演会)の開催報告


 

特別セミナー/一般開放シンポジウム「応用情報学とその進化」(第341回研究講演会)の開催報告


イベント名:「応用情報学とその進化」セミナー

対象:教員、学生、社会人、一般全て

日時:2009年5月22日 午後2時〜5時

場所:山形大学工学部

参加人数:52名

報告者:山形大学大学院理工学研究科 松尾徳朗

 

 本セミナーは情報処理学会東北支部より協賛を得て、応用情報科学やその関連領域の第一線で活躍している4名による講演会として実施した。参加対象を絞らず、学生や地域の方々も参加しやすいように、出来るだけ平易に講演を行っていただけるように、講演者の方々に依頼し、その結果多くの質問や議論、意見が交換され、議論の時間だけで1時間弱超過するという、実施者にとっては望ましい結果に終わった。

 まず、本セミナーの筆頭として、山形大学から院生を代表し、齋藤義人氏がソフトウェアの受発注の将来性と、安全で安心な電子契約手法について議論を行った。

 次に、ソフトハウスと大手企業を結ぶ商社の視点から、緑屋電気株式会社の永井明彦氏が組込みソフトウェアと半導体の流通ダイナミクスについて議論し、技術を兼ね備えた仲介業務の重要性を指摘した。

 3番目には、マイクロソフト株式会社および総務省のアドバイザである森本登志男氏が地域情報化の成功例を、地域の能動的な取り組みの重要性および地域のリーダーシップの必要性の存在を確認しながら議論するとともに、国や大企業の無力さを指摘した。

 最後に、国際計算機情報科学会の会長であり、州立セントラルミシガン大学ソフトウェア工学と情報技術研究所所長のロジャー リー博士により、ソフトウェア工学の哲学と成功する開発手法を自らの経験およびカーネギーメロン大学におけるソフトウェア工学研究の事例を含め、講演を行った。

 今回は4つの講演により、半日かけたボランティア的セミナーで、高い社会貢献が達成できたと思う。今後も、東北地方の情報工学の発展や人材育成に励みたい。最後に、本事業に対して多大なるご支援を頂いた情報処理学会東北支部および東北大学の本間先生、福士先生、阿部先生に感謝の意を表したい。