情報処理学会東北支部第348回研究講演会開催報告



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 日時:11月27日 15:30-17:00
 会場:岩手大学工学部 4号館106室
 講演者:筑波大学 大学院 システム情報工学研究科
 コンピュータサイエンス専攻  三谷 純 准教授
 講演題目:可展面による形状モデリングと曲面折り紙の設計方法

 概要:

  近年のCGおよびCAD分野における形状モデリング手法の変遷を概説し,その中でも
 サーフェスモデリングの分野における可展面集合での形状表現の研究動向を紹介する.
 3D形状データから実物を作成するための研究が盛んに行われている.作成するための
 方法は様々であるが,3D形状からペーパークラフトを作成するための展開図を自動
 生成する方法について説明する.ペーパークラフトは,2次元展開図面に従って,紙を
 切ったり貼ったりすることで,立体を作成することができる.最近では,切り貼りを
 せずに3D形状を構築する折り紙手法の研究も行われており,3D形状を可展面の集合に
 変換することで実現する.可展面とは,平面形状に展開可能な曲面である.しかし,
 可展面のみを用いて3D形状をモデリングすることは,非常に制限が多い.そこで3D
 形状を可展面の集合で近似して,展開図面を作成する.また,回転体をベースにした
 曲面折り紙の設計方法について説明する.

 講演報告:

  学生が受講しにきているということで,自分の研究に関する用語や,関連研究を詳しく
 説明していただいて,とても聞きやすかった.前半部分では,数学的な内容も多かったが,
 例示も多くて,難しい理論を直感的に理解することができた.また,研究成果の折り紙を
 使った応用については,身近なものが多く,将来性のある内容であったと思われる.講演の
 終盤には,実際の折り紙でモデルを製作する時間を設けていただいたので,講演内容の
 理解を促進でき,楽しく聴講できた講演であった.


 参加者:約50人
 報告者:今野 晃市(岩手大学工学部)

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